ノルウェーの福祉制度

theミュージックセラピーvol1

今日は音楽療法士井上勢津さんのインタビュー記事。

井上さんは、5年前に埼玉の取材でご一緒した方。
物腰の柔らかいとっても素敵な方です。

井上さんのノルウェーの留学時代を振り返りつつ音楽療法士としての原点を探るインタビュー。
北欧の音楽療法は日本と何が違うのか、ずっと知りたいと思っていた私にとって、ノルウェーの福祉と社会制度のお話は興味津々のトピックでした。

まず、子どもの病気。

ノルウェーでは、子どもの病気に親が同等に関わるそうです。
子どもが病気になるとお父さんもお母さん、兄弟も休暇をとって、
当たり前に時間を一緒に過ごします。

従って、病院には元気な子も病気の子も混じっているから、外見だけではどちらか判断できないこともあるとか。
入院が必要な子どもは、家族で病院内に住めるような施設も準備されているそうです。

そして、子どもに対して「知る権利」があり、病気についての告知がされる。
子ども自身が常に自分の置かれている立場を正しく理解した上で、治療を選択できる、というわけです。

次に、学校。

北欧では一部の特殊学級を除き、統合学校がほとんど。
その背景にある北欧の障害に関する考え方は「環境が人の機能を隠している」。
その人に欠陥があるのではなく、周囲がその人の機能を妨げていると。
だから不便な部分をみんなで補い合うのは当たり前であると。

そして、障害者の自立生活を助ける「パーソナルアシスタント制度」があります。
地域で自立した生活をするために本人が雇用・解雇などを選択し、公的補助を受けながら自分のスタイルを選べるというもの。

音楽療法も必然的にグループセッションが多くなり、一つの環境で子どもたちがそれぞれにやりたいことを選ぶ、というスタイルが多いようです。
そもそもこのような環境では「音楽療法」という概念自体が薄く、「ミュージシャンと楽しく踊る」くらいの感覚なのかも。

良いのか悪いのかの議論は別として、何もかも日本とは全く違う制度。
つまり、小さい頃から自主性を大切にして、自己責任であらゆることを「選択」していく。

それがどのようにノルウェーの国民性へと繋がっていっているのか、福祉制度や税収と繋がっているのか、とてもおもしろいのでこれからいっぱい勉強していきたい、と強く思いました!
(田尻めぐみ)

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